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放射線科とは
頭部単純X線撮影をはじめ、頭部CT(コンピュータ断層撮影)、頭部MRI(磁気共鳴画像診断装置)、超音波検査などを用いて、広範囲にわたる画像診断を行っているのが放射線科です。
上記の装置で撮影された画像を見ながら、患者さまの体内で起こっている病気の性質や広がり、異常などを注意深く調べます。
画像診断の際に用いられる装置
レントゲン
X線撮影(エックスせんさつえい)は、エックス線を目的の物質に照射し、透過したエックス線を骨や臓器の様子を知る画像検査法の一種です。
一般的に“レントゲン撮影”や、“単純撮影”と言われることもあります。
X線は放射線の一種であり、体の中を透過することができます。体には骨や臓器、血管、空気などさまざまな構造物がありますが、それぞれX線の透過率が異なります。この透過率の違いを利用して、体の中の構造物を写真に写し出します。
例えば、骨は透過しにくいので写真上で白く写し出され、逆に空気はよく透過するので空気がたくさん含まれる肺は黒く写し出されます。
- 頭部外傷時の骨折の有無
- 脊椎や四肢などを撮影することで、骨折の有無や関節の状態
- 腸管内ガスの状態から腸閉塞(イレウス)や消化管穿孔、尿管結石や腹水の有無など腹部の病気
検査前の注意
検査前に衣服や身に付けているアクセサリー等を確認させていただきます。
場合によっては、更衣をお願いすることがあります。
(思い当たるものを身に付けている場合はあらかじめ取り外すか、取り外す必要があるか分からなければ検査時に技師へご相談ください。)
CT
CT(Computed Tomography)検査はX線を利用して、物体を透過したX線の量をデータとして集めて、コンピュータで処理することによって、物体の断面画像を得る検査です。
当院のCT装置はマルチスライスCTと呼ばれ、低被曝(被ばく)の撮影で16列マルチスライスCTを導入しました。
脳の周囲を360℃回転させながら多方向からX線を当て、速やかに広範囲を撮影することができ、立体的な画像(3D画像)を撮像いたします。
体内の出血の疑いがあると考えられる場合や、頭部外傷の際によく利用されます。病気の早期発見や診断が可能です。
CTを撮影する前の注意点
- 妊娠中またはその可能性のある方は、できるだけCT撮影は避けることが望ましいですが、病気と検査の関係もありますので、医師にご相談ください。
- 植え込み型除細動器または一部の心臓のペースメーカーは本体部分にX線が当たると不具合が生じる可能性がありますので、撮影前に医師にご相談ください。
- 検査内容(主として造影剤を使用する場合など)により絶食していただく場合がありますので、受診当日の造影剤を使用したCT検査は受けられないことがあります。
MRI(3.0)テスラ
MRI(Magnetic Resonance Imaging)磁気共鳴画像とは、磁石と電波を利用し、体のいろいろな方向からの断面を画像化する検査方法です。体から発生する弱い電波を受信し、コンピュータで電波の発信場所・量を把握することにより画像を作り出します。
わかりやすく言うと、巨大な磁石のトンネルですので、金属類が体内にある方は検査が受けられません。磁場を利用して体内の様子を画像化しますので、X線撮影やCTのように被曝(被ばく)の心配がないのも特徴です。
一般的なMRI装置は1.5テスラですが、当院は3.0テスラのため、より高画質な検査が可能です。
テスラとは、簡単に言うと磁石の強さを表す単位です。皆さんのご家庭の冷蔵庫に磁石でメモを貼りつけている方もいると思いますが、その磁石の強さが5ミリテスラ、つまり0.005テスラ程度ですので、3.0テスラはかなり強いことがわかります。
従来の2/3以下の撮影時間のため、ご高齢の患者さまの負担や検査待ち日数も改善されます。頭部から上腹部、関節、骨盤等の撮影が可能です。
- 脳梗塞・脳出血
- てんかん・眩暈・痺れ・耳鳴り
- 認知症(アルツハイマーなど)
- 脱髄性病変
- 脊髄・脊椎・椎間板病変(腰痛・頸部痛・手足の痺れなど)
- 全身の腫瘍性病変
- 全身の炎症性病変
- 全身の血管性病変
- 肝、胆、膵病変
- 腎、副腎、膀胱病変
- 婦人科系病変
- 四肢関節(骨折・靱帯・半月板など)
- 上記以外にも全身の疾患、部位に有効です
MRA
MRA(Magnetic Resonance Angiography)検査は、3.0テスラMRIを用いて、造影剤を使わずに血管のみを観察することができます。血管の狭い部分、つまっている部分、動脈の瘤などを観察することができます。MRI検査とMRA検査は同時に行うことが可能です。
超音波検査
超音波を用いて、頸部や側頭部にプローブを当てます。これにより脳や頸部などの血管や血流の状態を画像化できるようになり、血管壁や血流の状態(動脈硬化の様子など)を調べます。
MRIを受ける際の注意事項
- 強い磁石の中に入るため、鉄等の磁石に強く引きつけられる金属や電子部を体内、体表に有している方は重大な事故が起こりますので、以下のものに該当する方は検査できません
- 心臓ペースメーカーや埋め込み型除細動器(ICD)が挿入されている方
- 体内に金属が入っている方
(金属とは:プレート、クリップ、人工関節、人工弁などを指します。MRI対応可能なものもありますので、事前に主治医にご確認ください。) - ステント(冠動脈ステント、動・静脈ステント、胆管ステントなど)を入れている方
- 電子装置を装着されている方(人工内耳など)
- 歯科治療でインプラントの入っている方、歯列矯正をされている方は、歯科医師にMRIが可能なものかを確認してください。
- 広範囲な刺青、アイシャドー、マスカラや濃いメイクはお避けください。化粧品には金属成分が含まれているものもあります。まぶたや顔をやけどする可能性がありますので注意してください。
- 化粧をされている方は、検査前に落としていただく場合がありますので、お化粧直しをご持参ください
- 閉所恐怖症のある方は、事前にお申し出ください。
撮影前の注意
- 金属類(アクセサリー、時計、コルセットなど)は検査前に全てはずしてしていただきます。カラーコンタクトをつけたままでの検査はできませんので、ケースをご持参ください。
- 検査中は機械音が連続的に発生しますので、不安のある方は主治医にご相談ください。
- 注意事項と検査要領に従って検査を受けていただければ、磁力を利用したMRI検査は人体に優しい有効的な検査です。その他、ご心配、ご不安なことがありましたら気軽に担当技師もしくは看護師にお知らせください。